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獣帯(12星座黄道帯)図に並ぶ山羊の姿が、上半身はヤギなのに下半身が魚になっているのは、
ギリシア神話の牧神パン(農牧の神)が、出くわした怪物にびっくりして魚に変身すべきところを上下ちぐはぐのまま川に飛び込んだ姿をゼウスが面白がって天にあげたという神話から。
ギリシア人は、世界全体をコスモス(Kosmos)という言葉で説明します。
現在のCで始まるコスモス(Cosmos)が物理的な宇宙領域だけを意味するのに対して、ギリシア人のコスモスには物理的、心的、情動的、スピリチュアルな領域すべてが包含される
豊かな全体性を意味する言葉です。
魚座のエネルギーはこのコスモスが意味する全て、物質、身体、心、魂、スピリットが有機的に繋がる全体としての宇宙。
物理的な宇宙はむしろ水瓶座天王星11ハウスの元型(アーキタイプ)に属する世界、
天帝ウラヌスの空(スカイ)の領域。
夜になると天帝ウラヌスが星ぼしを引き連れやって来て、妻である地母神ガイアを覆っていると
古代ギリシア人は考えていたのだ
ジェシー・ウィルコックス・スミス – ハイジ (グッド・ハウスキーピングの1923年8月号の表紙) [ジェシー・ウィルコックス・スミス: アメリカンイラストレーターより]
2023年3月7日23:07、土星が水瓶座から魚座にイングレス(星座移動)します。
(乙女座16°満月の日)
2023年は魚座の0-7°までを移動します。
山羊座のルーラー土星が魚座に移動するのは30年ぶりですが、このイングレスは単に土星が魚座移動するだけでなく、
37年周期で起こる土星と海王星の会合サイクルの、最後の閉じていくフェーズが、
ホロスコープにおける12星座サイクルの終わりである魚座で開始される。
これはひとつの時代の終わりを意味します。
2026年5月には、海王星と土星は春分点である牡羊座0度で会合し、新しい37年周期が始まります
両方とも動きが遅く、また月の北ノードが魚座に入る2025年はほぼ一年中コンジャンクションの状態になります。
人類にとっての大きなサイクルが終わり、新しいサイクルが始まろうとしているのが2023年から2026年にかけての時間帯です。
土星&山羊座10ハウスの元型は、集合のなかでロールモデルとなっていく社会的役割と、その社会的役割を時間をかけマスタリー(熟達)していく発達過程が示されますが
海王星をルーラーとする魚座、その対向の乙女座も、サービス(奉仕)とプロフェッショナルになっていくエネルギーです。
このサイクルは集合だけでなく個人にとっても、大きな任務の完了と次に蒔くべき種
新しい種を撒く準備の必要性が暗示されています。
土星は人間社会の法(lows)と秩序をあらわしますが、海王星は集合のより高次の法と秩序としてあらわれます。
土星と海王星は、両方とも自分よりも、より高次の秩序(オーダー)と繋がる必要性を人間に感じさせます。
秩序(オーダー)は自分よりも、より高次の存在に謙虚になること。
高次の存在は、偉大な師(グル)や先生、伝統であったり、神や宗教であったり、自然そのものや政治活動、奉仕活動であったりする
(奉仕は、他者や無辜の民に仕えることで、神にも仕えている)
自分に正しさを教え、導いてくれる存在に従いたいというスピリチュアルな衝動を誰しもが持っている。
土星/海王星は、より高い理想に触発され霊的に目覚めるサイクルです。
ジェシー・ウィルコックス・スミス – たくさん持っているからあげるよ。(アルプスの少女ハイジ) [ジェシー・ウィルコックス・スミス: アメリカンイラストレーターより]
・1952-53年の天秤座22°
・1989年の山羊座11°
・2026年の牡羊座 0°
土星海王星の合は、米国ではリンカーン、ルーズベルト、JFKといった歴史的に重要な大統領、また英のブレア首相、仏のミッテラン大統領やなど、有名な政治家が多く持っているアスペクトです。
露のプーチン&中国の習近平主席も天秤座22°合の時代に生まれた指導者であり、
日本では政治家より坂本龍一、浜省や中島みゆきといったアーティストが有名かもしれません。
土星海王星のもとで政治家は賢明さ、堅実さ、誠実さというリーダーシップを宇宙にテストされます。
テストの結果このサイクルは政治体制や経済システムの崩壊を引き起こします。
ソビエトが崩壊したのは1988-1991年にかけて、またベルリンの壁が1994年。
共産主義という精神的な価値観とは対照的に、人間が作った共産主義体制が時代遅れであることが証明されたのです。
しかも今回の土星は魚座に支配星海王星がいる時代に魚座を運行し2025年はほぼ1年間会合し続ける状態になります。
2025年は月の北ノードも魚座に入っています。
魚座土星&海王星の時代の不確実性はあまりに霧深く、大衆の不安や体制の不安定につながる可能性があります。
1935年2月~1938年1月
• 第二次世界大戦前夜:ベルリン・オリンピック
•歴史上始めてアルコール依存性が社会的問題に
・英国王ジョージ5世の死 - エドワード8世の退位 = ジョージ6世(エリザベスⅡ父)の継承
(皇太子が権威を投げ出す)
・スターリンの大粛清
・中国西部の大飢饉
・スペイン内戦
・日中戦争勃発
1964年3月~1967年3月
• 南アフリカでネルソン・マンデラはすべての容疑で有罪判決を受け、終身刑を言い渡された
・米国の公民権運動
1994年1月~1996年4月
(天王星/海王星が山羊座に、冥王星が蠍座28°で月のNN合)
(マンデラは先の会合でプリズンに入り、この会合で大統領になった)
(アパルトヘイトという隔離政策、人間の法と秩序が間違っていた)
(魚座の象意に犠牲が含まれる)
• 1967年生まれ魚座土星&魚座1°のカート・コバーンが自殺(ニルバーナのVo)
・イスラエル・ヨルダン平和条約調停
土星海王星には自然災害や自然淘汰も暗示される。ネプチューン:津波は地震によって起こされる。
個人も集合も、規律が守られず、道徳や倫理の喪失、堕落に陥りやすい。機能不全や構造(ストラクチャー)の崩壊。キャンセルや失敗。
ジェシー・ウィルコックス・スミス – ハイジはヤギたちを友達のクララに紹介しました。(アルプスの少女ハイジ) [ジェシー・ウィルコックス・スミス: アメリカンイラストレーターより]
教会での贖罪が魚座海王星の象意であることから分かるように、魚座土星には
過去の行いに起因するカルマ(因果)と、罪の意識や罪悪感の想起が含まれます。
人間は誰も完璧ではないので、時に罪を犯します。
しかし人間は自分の過ちに気づいたら、それを正して繰り返さない選択を選ぶことができます。
カルマは過去にだけあるのでなく、今の内省と未来の意図の中にもあるのです。
老いがあるからこそ青春があり、死があるからこそ生があり、病があるからこそ健康がある。
寿命を延ばすことはできるが、死を避けることはできない。
宇宙は時に無慈悲かもしれない。
しかし許しと癒しという慈悲と恩寵を与えてもくれる。
私たち人間は人生のすべてコントロールすることはできない。
人類はたくさんの慈悲と無慈悲を経験するだろう。
運命について、自分がコントロールできないことは宇宙を信頼し降伏(サレンダー)して手放す。
余分を捨ててシンプルになることで、もっと強くなっていく時間。
もっと強い存在になれる。
ジェシー・ウィルコックス・スミス – 「一度しっかり足を下してみたら」と提案するハイジ。(アルプスの少女ハイジ) [ジェシー・ウィルコックス・スミス: アメリカンイラストレーターより]