宵の明星、金星が7月頃まで見ごろを迎えます
ミュシャ「宵の明星」1902年制作, アルフォンス・ミュシャ イワン・レンドル・コレクション (講談社, 1986年)より
金星は27日にゾディアック(黄道帯12星座)の魚座に入りました。
魚座の対向の乙女座がピュリティ(純潔)であるなら、魚座はピュア&イノセンス(純粋無垢)なエネルギーです。
魚座23°には海王星がいますが、海王星が宇宙の無条件の愛=高次の愛の波動であるなら、金星はより身近な愛。
海王星が愛のクィーンであるなら、金星は愛のプリンセス。
しかし神話の女神アフロディーテは、より愛欲的な美の女神と言えます。
宵の明星として魚座を移動する金星は、ホタテの中で育ちキプロス島に上陸する女神のごとき、甘い夢そのもの。
ボッティチェリ「ビィーナスの誕生」
金星は牡牛座のルーラー(支配星)であり、牡牛座では天王星が順行に戻ったばかり。
そして魚座&牡牛座は元型のなかでは春分点牡羊座に対して30°セミセクスタイル同士、どちらも資源:ソース&リソースです。
上昇志向の天王星は、個人のリソースを洗練させ、ライフスタイルをアップグレードさせてくれます。
しかし私たちは、日常の忙しさの中で自分自身を見失わないためにも、自分の価値観や価値判断が、過度な浪費や消費への欲望のため見誤ってないかどうかを内省する必要があります。
自分が本当に必要としている幸福、女性性の霊的な本質=スピリチュアル・エッセンスは、慈愛(ケア)と共感(コンパッション)のはずです。
物質はすべて、自分と大切な人を守るため、その暮らしを持続させるためのものです。
物質の本質は無常です。
生きているあいだ、地球からいっとき借りているものであり、その事実に感謝する必要があります。
私はいつもブログに成長、進化、発達と書いていますが、人間がどれだけ成長、進化、発達を成し得たとしても、すべては老いと病気と死によって、いつかリセットされてしまうものです。
しかし人間の成長や進化や発達の歩みはけして無駄ではなく、死や老いや病気と同等に、宇宙の真実でもあるのです。
苦痛や苦悩や敗北は、避けられるものや、恥ずかしいものや軽蔑されるものでなく、勝利や楽しみや喜びと同じ価値を持っている。
学びの価値として同等である。
この巨大なパラドックス(背理)を受け入れていく歩みの一歩一歩が、魚座の目的:ライフの全体像を知ること。
金星は魚座に入ったので、双子座火星とだんだんと(closingの)90°スクエアになっていきます。
金星と火星のサイクルは、リレーションシップ(人間関係)とセクシュアリティ(性自認や性心理)のサイクルです。
双子座が風サインなので、天秤座的な人間関係での緊張の到来が予想されますが、
魚座のエネルギーは無境界【NoBoundary】であるため、
自分の境界を守る学びのテストとして、他者とのやり取りの中で何か挑戦や挑発を受けるかもしれません。
ロマンチックな関係を夢見る夢想家に与えられる試練。
他者からの猛烈なプッシュで自制(コントロール)を失わないこと、
刺激の強いコミュニケーションの急激さに混乱しないように、
獅子座の満月に向けて気分が否が応でも盛り上がるので、自分と他者との境界線を意識しておく注意が必要です。
金星が海王星と合してきた時に犠牲や被害者意識に陥らないためにも。
いまのサイクルは水瓶座0°で始まり、火星/金星が双子/射手座18°にあった時が180°オポジット。
天王星が身体の声を無視して、セキュリティを切り離す場合がある。
他者にせかされ焦って自分を見失わないように。
金星が太陽と外合したのは去年10月の天秤座29°。
どんな人間関係であれ、メンタリティを成長させる学びを意識できると得られるものは大きい。
成長のための分離(別れ)を決断する場合でも、起こった出来事の意味を理解することや、相手へのリスペクトと感謝の気持ちは忘れずに。