もう七夕ですね。
次の新月までは旧暦の皐月。7月2日からは七十二候の半夏生(はんげしょうず)。半夏(カラスビシャク)が生える頃とされています。
満月で感情的なピークを過ぎたあと、月が下弦にくるとこれまでの計画を見直す必要性に気がつきます。
牡羊座に月が来ると、ひとは生存本能を刺激されます。
安全についての不安や、人生の不確実性を強く感じるようになり、抱えている問題をより早く解決できるよう焦りますが、急いではいけません。
まずは自分が本当にやりたいことを決めて、自分の快適なペースで進むことができるように、深呼吸しながらスピードを落としてみてください。
牡羊座10度の月は、12度の小惑星キロン(カイロン)と重なり合っています。
その軌道は非常に珍しく、物質的な世界と精神的な世界のあいだの架け橋を表しているとされます。
神話のカイロンは偉大なヒーラーであり、賢明な教師であり、不滅のケンタウロス族の一人でした。
占星術では、小惑星キロンは治癒不可能な怪我と、不治のトラウマを象徴しています。
しかし、ひとが自分のトラウマに固執する代わりに、トラウマを受け入れ、苦しんでいる他の人を助け、苦しみが人生の一部であることを受け入れることができれば、
キロンは知恵の鍵、あるいは一部の人にとって異能(特殊能力)の鍵になると考えられます。
傷ついたヒーラー、内なる教師とよばれるキロンは、一種の「イニシエーションゲート」。
牡羊座にあるキロンは、過去に死ぬほど努力したにもかかわらず、成功しなかったという結果によって、トラウマを抱えている可能性があります。
失敗や挫折が原因となるアイデンティティ・クライシスを経験している場合もあります。
けれども月が牡羊座に来て小惑星キロンと合になるたび、ポジティブ思考の行動を繰り返していく果てに、過去のトラウマからすばやく回復し、必要なときに力を取り戻す能力が自分に備わっていることを見いだします。
月とキロンは、牡羊座の支配星である火星、および過去を示す射手座の月のサウスノード(ドラゴンティル)と火の星座のグランドトラインをつくっています。
天秤座の10度近辺に感受点がある人々は月のノード軸を巻き込んだ火と風のグランドセクスタイル(六芒星)ができること、
またキロンリターン(出生の位置にキロンが戻ってくる)の起こる50歳から52歳の年齢人々にとっても未だに重要な星回りです。
今回の下弦の月のフェーズは、自分と同じような生命の危機を経験した、心の傷を抱える他者の気持ちに自分の心を寄せることで、深いヒーリングの感情が得られるフェーズになるかもしれません。
2021年7月2日、月は牡羊座10°14'で下弦の月になります。
下弦の月がさらに欠けて見えなくなり、新月になるまでの約1週間は下弦の月のフェーズ(期間、段階。太陽と月による1/4ごとのサイクル)です。
新月転換までのラスト1週間です。
水星の順行後で個人天体はすべて順行に戻っていますが、直近の海王星の逆行をはじめとして、土星、冥王星、木星といった外惑星=社会天体は天王星以外がすべて逆行し、個人の社会活動は修正のフェーズに入ります。
ホロスコープの10天体が順行していた今年前半に蒔いた種を、これからは地道に育成する時間帯です。
夏至を越えた蟹座の太陽は、そんな星回りに無理して頑張るのでなく、感情的なリズムを整え、体内時計の再調整をするよう牡羊座の月に意識の変化をうながしています。
女性性を示す蟹座の太陽は、がむしゃらな立身出世(=山羊座的な社会参加意欲)だけでなく、安らげて居心地の良い家や住まいづくりが、人生の基盤であることを再認識させてくれます。
下弦の月をつくるのが活動宮のスクエアですから、これは自分らしく居られることのできる家と住まいです。
月のノード軸のサウスノードを起点として、水瓶座土星で結実させるYOD(2つの150°クィンカンクスと60°セクスタイル)の頂点(エイペックス)が蟹座の太陽なのですから、
今は冒険や野心よりも、今は自分の体内時計&感情的なリズムが優先されるべきです。
外惑星で唯一順行しているのが、新時代を生成している革新の星、牡牛座天王星であることは重要です。
牡牛座天王星は個人の能力&リソース、および価値観を刷新させ、社会情勢としては新しい経済システムや金融社会主義と呼ばれる現行の金融政策と関連しています。
今年、この牡牛座天王星と90°スクエアの緊張状態にあるのが、新しい社会システムをつくる水瓶座土星。天王星は水瓶座の支配星であるため、このスクエアの水瓶座的なエネルギーは文字通り2乗されています。
次の蟹座新月は、13日に獅子座17度で合になる直前の獅子座金星&火星が、牡牛座天王星90°水瓶座土星と不動宮同士のTスクエアに巻き込まれます。
Tスクエアは緊張のストレスや、抑圧のプレッシャーが最大値となりブレイクアウトに導かれます。
ポジティブな変化への衝動、そして人間性を取り戻すために、自由な解放を求める新しい創造性やムーブメントを生み出します。
金星は牡牛座の支配星であるので、バケーションを求める個人消費の爆発的な増加。
獅子座火星はそのままアスリートですので、オリンピックの開会式のように華やかな打ち上げ花火、ロケット花火です。
(誰か宇宙に行く?民間宇宙旅行の始まり?)
この星回りによって、私たちはデジタル化やオンライン化といった、新しい水瓶座の時代らしい社会システムのなかにあわせるかたちで、個人の創造性を社会のなかに組み込むことになります。
新月は獅子座金星&火星とセミセクスタイル、牡牛座天王星ともオーブ4度のセクスタイル。
家族のなかにカルマを感じているひとは、自分らしさを阻害するような家族関係や家系の押し付けから、自由になるべき、と感じるかもしれません。
日本人の伝統的家族観と現代的なリベラルの感覚のすり合わせが必要です。
獅子座の金星&火星は七夕にふさわしく運命的な恋愛が示唆されますが、水瓶座&天王星のTスクエアに巻き込まれている以上、お互いの権利がより尊重される男女平等が求められます。
夫婦別姓や同性婚がまだ合憲となっていない現状への不満が、家族の改革を求める若い世代(=天王星)のなかで高まります。
これは秋の衆院選挙に影響するかもしれません。
ウィルスは変異し続けていても、みながコロナと共生できる妥協点にたどり着こうとしています。
今年のクリスマスイブに3回目の牡牛座天王星90°水瓶座土星が各11度で起こります。6月15日は土星が逆行でしたが、次は天王星のほうが逆行です。
おそらくオリンピックを原因とする変異種の最後の蔓延、そして両者の90°スクエアの影響が薄れる2022年の5月頃には、変異し続けるコロナと共生する新世界に、人類は到達することになるでしょう。
2021年7月10日、月はみずからが支配する星座である蟹座18°1′で蟹座の新月になります。
過労の小池都知事のように、疲弊を感じたらすぐさま休んでください。無理しないでください。
先週の危険ゾーンから少し脱しますが、天王星以外が逆行している外惑星群のなかで、個人ができることは限られます。
できる範囲のことを、自分のペースでやっていくことが大切ですし、それを学ぶ時間帯です。