西洋占星術の秋は、元型の7ハウス、風のサインである天秤座に太陽が入るときから始まります。
牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座と4つあるホロスコープのアングル軸のひとつ、天秤座の0°を太陽が越える瞬間が秋分です。
今年の秋分は9月23日(15:50)
北半球の昼と夜は、ほぼ同じ長さとなり、夜がもっとも長い冬至に達するまで、夜の時間がだんだん長くなっていきます
ゴールデンアワーの美しさは、金星をルーラー(支配星)とする天秤座のエネルギーそのものです。
-UnsplashのMayur Galaが撮影した写真
自然界のサイクルでいえば、春分のころに撒いた種を刈り取る準備に入ります
-George_Mason_-_The_Harvest_Moon_-1872
収穫した実りをいかに等しく分配するかのフェア・トレードも、天秤座のテーマです
ホロスコープのなかでは、12星座の始まり牡羊座から、乙女座までの6つの前半サイクルが「個」の確立をテーマにしているのに対して
天秤座以降の魚座までの後半サイクルは、「集合性」のなかでの生き方の確立をテーマにしています
集合性のサイクルの始まりである天秤座では、自分からみた自己像ではなく、他人から自分がどう見えているかという、自己の意識に他者からの視座が導入されます
他者との関係性の中で自分のアイデンティティーを認識し、自他のバランスを取りながら人格的な成長を求めていこうとする=12星座のなかでもっとも成長への意欲があるのも天秤座です。
支配星である金星は、調和をはかるため妥協することを知っています
自我を小さくすることで対象となる相手を受け入れ、包摂性を高める特質と他者を引きつける魅力や磁力を持つのが金星です
秋分のエネルギーは、マンデーン=社会情勢の新しいトレンド(傾向)として、先の夏至図のエネルギーに加わります
秋分の星回りを見ることで、冬至に至るまでの世界の新たなトレンド(傾向)やトーン(雰囲気)を予測することができます
太陽がてんびん座0°に入った瞬間の東京のアセンダントはみずがめ座、みずがめ座のルーラー天王星は金星をてんびん座と同様にルーラーとするおうし座で
木星と会合(来年4月9日のおひつじ座19°皆既日食後の4月21日に合)しようとしているところです。
月のノード軸の南ノードもてんびん座25°、10月15日のてんびん座21°日食の蝕のシーズンを待たずに、物質的なリソースの洗練と向上、そして平和や平等といったメンタリティにおける価値観の変化・変質といった
おうし座/てんびん座両方の金星的な意識がかなり強まる秋分です。
秋分図の金星はしし座26°でディセンダント直下の6ハウス。
金星はまたおひつじ座のカイロンと120°トライン。
自分の自由意志を開放し、自分の人生について主導権を握ること、自分の運命に責任をとることは過去の傷を癒す大きな癒しの機会になるかもしれません。
月のノード軸がおひつじ座/てんびん座にあり、おひつじ座ルーラー火星がてんびん座17°で秋分図は8ハウス、火星はおうし座14°木星に150°クィンカンクス。
変化・変容を望む勢いが強いため、自由を束縛されている感覚が強いとフラストレーションがかなり高まります。
このフラストレーションの高まりによって自分の意志がほんとうに望んでいることに気がつくひとも多いはずです。
秋分の太陽はやぎ座冥王星と120°トライン、さらに太陽&火星&月の南ノードがてんびん座8ハウスであるため、この秋分は他者と一緒になって自分を変容させる時間帯ですが
他者のために自分が妥協できる部分はどこで、どこは妥協できないのか、自分自身を知り、他者のための余地や余裕も意識したい秋分図です。
火星はおひつじ座カイロンとも180°オポジットであるため、自他のバランス、アイデンティティの確立と他者の意見を尊重できる余地の意識、妥協や和解はこの秋のテーマです。
このさき金星と火星の両方の意識はとても強く、秋分の時間帯は生産的で創造的な時間帯が一貫して続きます
-UnsplashのIlliya Vjesticaが撮影した写真