性(セクシュアリティ)は人間の生命力の根源的な表現のひとつです
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西洋占星術における金星と火星は、太陽系のなかで地球を挟む2つの内惑星と外惑星です
両者は個(パーソナル)に属する女性性と男性性の象意であり
また両惑星が支配する牡羊座と天秤座の軸は、ホロスコープの東西の地平線
自律性(牡羊座)と関係性(天秤座)という人間の根源的な欲求が葛藤するポラリティ(対極性)として高度に緊張感にあふれる領域です
火星と金星は分離(異質性)と調和(同質性)の相対するふたつの性質に分かれ
性という生命エネルギーの親密な交換と循環の機会を表現します
(蠍座&冥王星の場合は火星のハイオクターブ高い波動、自我を破壊・変容させるダイレクトな性衝動、抑圧、フラストレーション。冥王星が発見されるまでは火星が蠍座の支配星だった)
金星と火星は9月17日(3:48)に乙女座と双子座のあいだで90°スクエアの角度(アスペクト)をつくります=緊張とプレッシャーを生み出す
また金星は小惑星エロス(#433)ともながらく重なり合っています
現在の火星/金星のサイクルが開始されたのは今年の3月6日、水瓶座0°01'
山羊座冥王星とカスプを挟んでオーブ3度のトリプル・コンジャンクション
(火星/金星は直前の2月にも山羊座16°53'でも合している)
また次の火星/金星は再来年2月22日、水瓶座06°、冥王星は水瓶座01°00でトリプル・コンジャンクション
自己の性(セクシュアリティ)という、理解の難しい内面世界の問題について、現在は水瓶座の一度デッタチメントして高い視座から俯瞰する
より良い自己理解や相互理解のために、みずからの性を自分のアイデンティティのなかに再統合していくサイクルのなかにいます
どのサイクルも冥王星が合になるので、変えるべきだったのに変えて来なかった性的な問題を解決すべきサイクルです
双子座と乙女座の90度は、どちらも水星を支配星にするマインドと神経エネルギーの強いスクエアです
また乙女座は、心身のコントロールと健康を維持管理する星座
性の抑圧もしくは過度な性依存は、怒りの感情と同様、心身の疾患の遠因になり得ます
性的なエネルギーを意識して制御すること=性的な興奮が喚起する衝動的なエネルギーを利用して、自己を定期的に解放し、生活の中で弛緩やリラックスの機会を適度に持つこと
(出生図の中の金星/火星/冥王星を安全な方法で表現する)
牡牛座/蠍座の軸にある歓びの感覚と、深遠な愉悦を結びつける性的な実践
パートナーと喜びを共に満喫することは、人間の本質的な幸福のひとつです
本能的な火星90°金星の性的な緊張が、実際問題リアルな人生の中でバランスを崩しやすいエネルギーであるからこそ、
マインドでコントロールしていく双子座/乙女座の視点ならでは気づきや再発見をいまは得やすい機会です
乙女座の対向、魚座のエネルギーには、感受性に境界がないため、なにか強烈な外的要因、もしくはぼんやりとした不安といった原因不明な理由により
心身が衰弱し、乙女座的な自制心(コントロール)を喪失させてしまう場合があります
辛い現実からの逃避手段として、セックスやアルコール、ドラッグに依存してしまうのは、コントロールを失った魚座&海王星の低い波動の発動です
これは魚座のエネルギーが持つワンネスへの希求が、未だ統合されていない状態での発動あり
若者の無軌道な前半生、また天才的なアーティストによく見られる傾向です
性的衝動を含めた自己の性を、より明確に意識のコントロール下に置くことは
自他の個性に属する性への理解を深め、自分と周りへの性的虐待や性被害を遠ざけます
性への理解と認識を深めることは、加害者にも被害者にも傍観者にもならない
本来あるべきヒューマニズム、人間性と倫理観を養う道に通じます
水瓶座の金星/火星/冥王星の意図は、性とジェンダーがより自然に近いかたちに開放され、
同時にもっと倫理的に洗練された人間らしい性の在り方です
権力者による性的な抑圧やハラスメントがまかり通る社会は、冥王星が山羊座にあるうちに終わる事になります
風の時代のルネサンスのひとつは、人間のセクシュアリティが個の権利に属し、
ジェンダーフリーが男女の対立でなく、多様な性差の相互理解として進化・深化していくことです
超越的存在に対する愛の表現としての禁欲もまた
性の表現のひとつにあげることができます
児童ポルノの問題で分かるように、現代日本はあまりに性を商品化して浪費しすぎているきらいがあります
性が気軽に商品化したことで、外国に比べ性犯罪が抑止されているという言い草は、日本の男性優位社会の言い訳です
日本の成人男性たちは、十代の少女たちにあまりに多すぎる性被害や、少年たちの性的嗜好の分裂病的気質の増加に、後ろめたい気持ちはないのでしょうか?
社会天体である木星は牡羊座を逆行しているため、10月28日に魚座に戻り
また来年の3月、もう一つの社会天体、土星もまた水瓶座から魚座に移動します
本来、人間の性には聖俗両方の属性があったはずであり、乙女座/魚座の軸がもつ聖俗両方を両立させるエネルギーのバランスが
荒廃した世界にルネサンスをもたらし、人類を癒やす日が来ることを期待します