青い薄絹に
天蓋を覆われたような夜だった
贅沢に施された
ビーズ刺繍の光の
ひと粒ひと粒は
全て、あなたのものだった
手に届くか、届かないか
最も深く愛した光のひとつを
あなたは見送ろうとしている
流れ星として落ちゆく
宿命の悲しみを
この世の美しさとして
最後まで見届けようと決めた
目に見えない月が
くらい海に沈む
数えれば幾つの夜を生きただろう
あきらめた夢と命はどれくらい
潮が沖合に向かって引いていく
それでも愛することを
あなたは止めたりしない
何度も生まれ変わって
ふたたび現れる
満ちていく血潮と
生命の行方を知っている
遠い場所へと旅していく
星の卵たちの神話