10月は牡羊座の満月から始まります。
今年の3月24日に起こった牡羊座の新月のころ、撒いた種を収穫し始める季節です。
10月17日に起こる次回の天秤座の新月や、月末の10月31日に起こる牡牛座満月(ブルームーン)のころまで続く、刈り取りの時間帯です。
占星術のホロスコープ(天体図)のなかで、牡羊座の正反対に位置するのが天秤座です。
天秤座は、その天秤のシンボルからも分かるように、バランス感覚と調整のエネルギーを司ります。
天秤座の視点から考えると、収穫した収穫物(=金星)を公平・公正(フェア)に分け与えあうことも、このサインでは意識すべき大切な視点になります。
突きつめていくと、自分とパートナーとのあいだの関係が、公平で公正(フェア)であるかどうか?
という問いに、たどり着くことになります。
2020年10年2日06時05分、月はこの日の朝方に牡羊座9°8'で満月になります。
月が欠けはじめ、下弦になるまでの約1週間は満月のフェーズです。
今月は月末にもブルームーンの満月が起こります。
満月はひとの感情と本能をピークに導きます。よって現状の何が不満であるか、足りていないかに気づきやすくなり、改善に必要な気づきを与えてくれます。
今回は月&蟹座と並んで「本能」が強調される牡羊座に月が位置するため、本能的な気づきや直感力に、とくに恵まれる満月です。
また満月が欠け始めると、放出する力が最大になるため、不安や執着を宇宙にリリース(解放)できるタイミングにもなります。
今回の東京チャートは、アセンダントASC(地平線)が天秤座にあるため、天秤座太陽と牡羊座月の満月軸が、ホロスコープ本来の位置と正反対でアングルに乗っており
牡羊座と天秤座という、「自分と他者のバランス」を学ぶことがテーマになる満月です。
ひとの人生の悩みの最大が、自分をあらわす牡羊座の真反対の天秤座があらわす「人間関係」であることは
ホロスコープの元型から考えても、当然の成り行きになるでしょう。
何より対人関係をあらわす7ハウスに、自分自身である牡羊座火星がいるわけです。
ASC(アセンダント)も太陽も天秤座ですから、パートナーや対人関係のなかでの自分の在り方、他者に打ち出す自分らしさとアイデンティティ(存在意義)の獲得、再設定、再構築という課題を突き付けられる満月になるはずです。
7ハウスの火星は、みずからが支配する星座である牡羊座で11月まで逆行しています。
パートナーシップや対人関係の中で、自信を失うような経験をするかもしれません。
アイデンティティ・クライシス、自我を崩壊させるような危機を、人間関係のなかで経験しやすいときです。
また7ハウスには牡牛座の天王星も入室しています。
天秤座の太陽は、この牡牛座9°50′天王星、
天秤座のナチュラルハウスである7ハウスにある天王星とは同じ9°の度数で150°クィンカンクス、
星座同士の特質の相違が大きいため、不均衡と不調和が生じやすいジレンマのアスペクト(角度)です。
実は、このジレンマはホロスコープの元型そのものに属するジレンマです。
牡牛座も天秤座も、どちらも金星を支配しています。
牡牛座の金星は自己を満足させる喜び=自己価値であり、
天秤座の金星はというと、自己の喜びを、相手の喜びと等しく交換する、価値の交換を意味するエネルギーです。
人間関係の危機は、お互いのお金や価値観に関するズレ
価値の交換について、どちらかの不満が、表面化して衝突する危機なのです。
天秤座を支配する金星は、満月時点で火の星座、獅子座の最終付近28°にあるので
争いはヒートアップしやすく、お互い譲ろうとはしないでしょう。間違うと双方のプライドを深く傷つけてしまうかもしれません。
天秤座を支配する金星は、この満月の日の翌日、10月3日に乙女座にイングレス(星座移動)します。
ここで人間関係は、お互いの激しい自己主張の対立から、いったんは喧嘩両成敗、内省に向かいます。
まずは、ホロスコープの元型の順番に内省してみてください。
自分の価値観や満足感が何であるか(=牡牛座)、自分は何を、どんなかたちでパートナーや他者と交換したいのか(=天秤座)?
その乙女座を支配する水星は、27日から蠍座に移動しています。
牡羊座火星と天秤座太陽の180°オポジョン
そして天秤座太陽と牡牛座天王星の150°クィンカンクスは
最終的に刺激の強い長い三角形として結ばれます。
天秤座太陽は活動宮らしい活発な行動によって、膠着状態に陥っている人間関係の問題点を打破しようと、絶えず動き続けます。
満月図の蠍座4°水星は1ハウス。自分自身を深く省みるときです。
そして蠍座水星と乙女座金星の両者は共に初期度数で地と水の60°セクスタイルになり、
水星が乙女座の支配星であることから、人間が日常生活で頻繁に使っている、この2つの個人天体は、支配星交換になるようなフレンドリーで使いやすい状態になります。
水星は、乙女座を支配するだけでなく、いま月のノード軸のノースノードがある双子座の支配星です。
ノースノード(ドラゴンヘッド)は進むべき未来の方向性、双子座にあるため、
その支配星である水星は、この人間関係やパートナーシップにおける問題解決のヒントをもっています。
水星のいる蠍座の支配星である冥王星は、この満月の2日後に順行に戻るため、留(ステーション)となり、深淵なる洞察力をもたらしてくれます。
不満や怒り(=牡羊座火星)の原因は何であるか?
深い洞察から、パートナーシップや人間関係の新しいかたちを導き出すことができます。
隠されていた秘密のおおく、夫婦間の、そして政治と社会の闇は、このタイミングで暴かれるでしょう。
そして結婚と共同体の女神、小惑星ジュノーとともにあります。
蠍座が統括する秘密と恐れを共有することで、以前に増して、より深いパートナーシップに到達することが可能です。
蠍座は天秤座を通り越してきたあとで、みずから大きく変容していけるエネルギーです。
もちろん魂の成長を目的とした変容です。
また両者の支配星、金星は順行で、火星は逆行です。
男女の場合、女性が獅子座的なおおらかさ、包容力を発揮することで和解にもちこめるかもしれません。
ただ山羊座ステリウムのもとにある衝突なので、その関係性がもはや転換すべき関係性である場合、とことん話し合う、決着をつける必要がある関係性であるのかもしれません。
いずれにせよ、人間関係とパートナーシップは強烈な転換点となる満月です。
そして結果的に、誰もが新しいアイデンティティを獲得していく結末を迎えることになります。
危機を乗り越え、人間として大きく成長する機会を与えてくれる天秤座の満月です。
満月軸の月側のサビアンシンボルは牡羊座10°「教師が伝統的なイメージに対して象徴的な形態を与える」
トラブルの相手は、自分自身の反面教師として鏡のような存在なのかもしれません。
相手との緊張関係を引き寄せている原因は、自分自身の出生図にあらわれている、自分の内面がもとから内包している緊張のエネルギーである可能性があります。
人生の見方を変え、新しい解釈を導入していくタイミングであることが、サビアンシンボルからもうかがえます。
対人関係でとくにトラブルがないひとも、満月を機会に自分の人間関係やパートナーシップについて、深く内省してみましょう。
一方で、この7ハウスにある逆行の牡羊座火星は、9月29日から10月20日まで山羊座の土星、冥王星、木星に2回目の90°スクエア(waxing)を形成します。
新たな、もしくは忘れていた「ブラックスワン」が世界に出現する可能性があります。
この記事を書いている時点では、この時間帯まで、あと1週間あります。
いまは、つかの間の平和であるかもしれません。本格的な危機的状況が訪れるのは9月末からになるでしょう。
ちなみに山羊座にステリウム(惑星集中)している3つの天体のうち、山羊座を支配する惑星、9月29日から土星が順行します。木星は9月13日からすでに順行しています。
そしてこの満月のフェーズのうちに、10月4日冥王星が山羊座22°29'で順行に戻ります。
よって満月の時はすでに留(ステーション)になっており、水星もまた蠍座を運行し、偉大な目覚めのパワー、巨大な変容(破壊と再生)のエネルギーを人類にもたらします。
逆行の牡羊座火星は不和の女神、準惑星エリスとともにあり、人々の衝動や怒りを煽っています。
山羊座22度は、今年1月13日に冥王星が土星と合になり、新しい土星/冥王星の40年サイクルが始まった度数です。
あの戦争のシンボルです。
アメリカは再びイランに制裁を課し、中東には新しい危機が訪れようとしています。
イスラエルはいくつかの中東諸国と国交を結び、以前とは違う状況です。イランは、かつてなく追い詰められています。
これで山羊座に集合している3天体すべてが順行に戻ることになります。
隠れていた権力の在り処が明らかになり、政治はリーダーシップをようやく取り戻すでしょう。実際、この期間、日本では国会が閉じられたままで、臨時国会はついに開かれることはありませんでした。
このあと太陽が天秤座の後半度数に進むことで、この後活動宮のTスクエアが形成されます。
海外ではCOVID19の感染が急激に拡大しています。
この座相はスピリチュアルな目覚めを示す冥王星と海王星の60°の長期座相に、土星と木星という2つの社会天体が冥王星を中心に集まってアスペクトをとっている座相ですが
とくに木星と魚座海王星の60°は、今年あった過去2回とも、過度な楽観と油断によるCOVID19の感染拡大としてあらわれています。
木星と海王星がオーブ(範囲)0°でセクスタイルになるのは10月12日です。
旅行や出張、人ごみの多い場所を移動する機会が多いひとは気を付けてください。夜の酒場は魚座海王星のエネルギーそのものです、これらは言わずもがなです。
木星と魚座海王星の60°セクスタイルは、本来は人類の協調と高い精神性として使うべきエネルギーです。
北半球の秋冬、ありがたいことに日本ではインフルエンザの拡大は抑えられており、ツインデミックを避けることができるかもしれません。
日本人は危機があると団結し、より強くなっていく民族です。
日本人の先祖代々の公衆衛生の規範意識は、コロナ禍において、この高い協調性や精神性として見事に発揮されていると思います。
ピンチをかならずチャンスに変えていきます。
山羊座ステリウムのもとで、日本の真の国家力を発揮し、世界に向けて証明することができます。
先の大戦の戦争直後に比べると、国家と国民のリソースは、はるかに残っています。
ですがこのさきは、楽観は禁物です。
人類は活動宮Tスクエアのプレッシャーにさらされます。
新時代に向けて、進化の土台作りに集中し、ブレイクアウトして、あたらしい自画像を獲得する必要があります。
季節の変わり目に、秋雨前線が活発化し、気象病(低気圧症候群)など体調はかなり不安定になるかもしれません。
心身の健康、メンタルヘルスのケア、定期的に自然にふれあい、リラックスする必要があります。
この天秤座満月のとき、天秤座9°にある太陽のサビアンシンボルは天秤座10°「狭い急流を無事にわたって、カヌーが静かな水面にたどりつく」
カヌーを操つ慎重さで、世の中を渡っていってください。
天秤座の太陽は12ハウス。シンボルには感情を示す水も現れています。
眠いときは、私のように、無理せず何日でも眠り続けてください。
心身の健康が何より大切です。
10月8日は二十四節季の寒露です。
10月10日09時40分、月は本拠地である蟹座17°で下弦の月になります。
次の下弦の月のフェーズでは、この蟹座月も含めて活動宮クロスができあがっています。
皆様くれぐれも無理せず、ご自愛ください。