★蟹座のテーマ: 郵便ポスト
想いを書き綴った葉書や手紙を、ポストに投函する瞬間のような、大切な時間になります。
そして、いちどポストに投函してしまうと、あとはもう、取り返すことができません。
あなたには、もう後戻りしないという、大きな決意と確信があります。
それは葉書や手紙が、郵便ポストの底にカタンと落ちた瞬間の、かすかな溜め息に似た、ほかのひとには分からないあなただけの覚悟です。
文字のない、絵葉書を選ぶひともいます。
反対に、ながい手紙を書くひともいます。
はっきりと宛名のあるひとと、宛名のない封書を選ぶひともいるかもしれません。
ノスタルジーの時間が過ぎると、また現実に向き合うことになります。
けれど、いちど心の郵便ポストに向き合うことで、ずいぶん安定感が増したことに気がつくはずです。
雲間から青い空がのぞく瞬間を、冬のあいだは、ながいあいだ待ち続けていました。
どんなに淡い色でかまわないから、と空の青さに憧れていました。
会いたい、とあなたが書き綴った相手は、春の青空だったのかもしれません。
返事を待ち焦がれて、いつも家のポストに聞き耳をたてている、あなたです。
何か大切なものを、待ち続けている人生も、けして悪いことではありません。
蟹座のひとは、他のひとには伝わらない、非合理的な、時間のかかる想いを抱いて生きる必要があります。
あきらめて外を歩いている時、いつもひとり道に立ち尽くしている郵便ポストが道路に投げかけている、あわい影に気がつきます。
仰ぎ見ると、いつの間にか青の晴れ間がのぞいていたことに、気がつくようなタイミングです。